株式投資はプラスサムゲームなのか


G(Geld:貨幣)、W(Ware:商品)、Pm(Produktionsmittel:生産手段)、A(Arbeitskraft:労働力)、P(Produktion:生産)とする。

→は流通(売買)を表し、・・は生産を表す。また’は増加を表す。


単純流通過程、つまり商品を売って何らかの商品を手に入れる過程では、

W→G→W と表される。

これが何度も繰り返される。

W→G→W→G→W→G→W→

どこまで行ってもWもGも増減しない。


一方で、資本の一般的定式では、貨幣が商品と交換される(流通する)過程で貨幣が増加することを示している。

G→W→G’

これも同様に何度も繰り返される

G→W→G'→W→G''→W→G'''→W→G''''→

なぜGが増殖するのか。単純流通過程では、流通を何度繰り返してもGの増減はないのに、ここでは増加し矛盾が発生する。カラクリは流通過程に、2つのモノを介在させることで明らかになる。


それは、生産手段(Pm)と労働力(A)である。


    Pm

G→W<   ・・P・・W’ →G'

    A


貨幣を使って(初期投資)、ある商品(内訳は生産手段と労働力)を買い、これらを合わせて(生産と呼ぶ)新しい価値を付与した商品を生み出し、それを初期投資より高く売る。


G'を分解して(G+⊿g)とすると、Gの増加分は⊿gである。

この⊿gの部分が新しく付与された価値である。これは利潤(利益)、または剰余価値と呼ばれる部分である。


資本家は、Pm(生産手段)を手に入れることによって、⊿gを得る。


ゆえにAはいくら流通過程も経てもAのままで増減しないが、Gは流通すればするほど(生産すればするほど)G'となって増殖しを続け、資本家は⊿gを雪だるま式に蓄積していく。


株式投資はPmを手に入れることによって⊿gを得る行為である。

よって株式投資はプラスサムゲームといえる。


家計と投資

家計、金融、株式、為替、投資。