個人向け国債は日本債券クラスなのか
個人向け国債(変動、または固定)はアセットアロケーションとしての日本債券クラスとして捉えてよいのかという問題。
インデックス投資家は、債券に株式と逆相関(値動きが逆)を期待するのだが、なぜ債券は株式と逆の値動きをするのか、国債を例にとって簡単にまとめたい。
日本の国債は、個人向け変動10年や15年変動利付国債を除いて利率は固定だ。発行時期の違いによってそれぞれの国債では利率が違う(もちろん同じときもある)というのが、まず基本。
株式の上昇場面では、インフレ抑制のために中央銀行が政策金利を上げ、金融引き締めを行う。つまり国が過去よりも利率の高い債券を新しく発行し、市中のキャッシュを債券購入へと導く。このことは過去に発行された低い利率の債券は魅力を失うことになり、過去に発行された債券の価格は下落する。
逆に株式の下落場面では、デフレ抑制のために中央銀行が政策金利を下げ、金融緩和を行う。つまり国が過去よりも利率の低い債券を新しく発行し、中央銀行が国から債券を購入することによって市中にキャッシュを供給する。このことは過去に発行された高い利率の債券は魅力を増すことになり、過去に発行された債券の価格は上昇する。
つまり中央銀行の金利政策によって市中金利が変動し、その結果として債券の価格は変動する。
では、個人向け国債の既発分の価格は変動するのか。
答え。変動しない。既発債を途中売却する際にはいくつかの制限はあるが、購入価格と同様の価格で換金できる。
ゆえに、個人向け国債(変動または固定)はアセットアロケーションとしての日本国債クラスとしては捉えられない。
では、個人向け国債はアセットとして、どのように捉えたらいいのか。元本が保証されていて、定期的に金利が支払われるので銀行預金と同じと捉えたらよい。つまり現金アセット。
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